バリ取り技術情報『バリの生成メカニズム』

バリ取り技術情報

 

バリ取りについて、選定から使用方法など

製造現場において、「バリ取りは永遠のテーマ」であると言えます。
特に機械加工で出るバリは加工方向に対して出口方向に硬く大きく出る特徴があり、製品加工終了後、仕上げ工程として手間を余儀なくされます。

このホームページの主そりたけは、元バリ取りツールメーカーの技術営業員をしながら、全国様々な製造現場を歩き、「バリ取り技術=バリテクノロジー」の研究をしてまいりました。
あいにく現在は退社し別業種となってしまいましたが、ここにバリ取り技術の記録を残します。



バリの抑制

バリ取りよりもバリ抑制

そりたけです。

前回までは、バリ取りの基礎としてバリの生成メカニズムをご説明しました。
機械加工では必ずバリが出る。
その中でも出口バリに出るのが特に厄介であり、その理由を解明しました。


バリ取り方法を考える前に「バリを抑制する」という考えは非常に大事です。
何故ならば、世の中にあるバリ取りツール、バリ取り方法には「万能なもの」はありません。
いわゆる「万能なバリ取り方法、バリ取り機械、バリ取り工具はありえない」のです。

その中で、バリ取りをより確実に行うためには「出来る限りバリを小さくする」ことが必要なのです。

バリ取りよりもバリ抑制  これを先ず考える事がバリ取りへの第一歩です。

 

私の恩師、西先生の言葉に下記の様なものがあります。

バリを出さない工具、工具パスを考えよ  それが出来なければ、差支えない方向に出せ  それがダメなら、取りやすいように出せ  

みなさんが使っている工具は、本当に適正ですか?
バリが余計に出るような方法を行っていませんか?
加工出口の形状は?材質は?
バリの生成メカニズムから突き詰めると、色々な事が見えてきます。

いくつかバリ抑制の事例を記述します。

@出口形状によるバリ抑制

バリ取り


バリの生成メカニズムをもとに考えると「負の塑性域を減らす」ことでのバリ減少が出来ます。
上記の図の通り、加工出口の角度を変えると、バリの形状も変化します。
これを基に、出口形状を鈍角に変える事でバリを小さくすることが出来ます。
特に、出口角度が155度を超えるとバリは出なくなったという技術報告もあります。


現場実践への具体的な例は下記の通りです。

バリ取り


フライス加工や研削加工でよく使える方法ですが、加工出口に面取りを施すことでバリを抑制します。
設計の縛りや、加工工程追加という問題もありますが、後工程のバリ取りを極力減らしたいという考えならば
非常に有効な策となります。



Aツールパスを変え「出口を無くすこと」でのバリ抑制

バリ取り


これはまた面白い考え方ですが、出口にバリが出るなら出口を無くせばいい。ということです。
上記の図のような製品では、通常はどうしても加工終了は端部になってしまいます。
しかし、たとえばこれが継ぎ目を作るイメージで加工したらどうでしょうか?
少し見にくいですが、第一工程は太径部の中途まで加工しています。
第二工程は第一工程の中途部まで削ることで、端部出口までの加工を無くし、バリを出しません。

わかりますでしょうか?

ひと昔の考え方ならばこれは出来ませんでした。
何故なら、機械の精度や工具精度、性能がこのような継ぎ目加工を許しませんでした。
現在では、このような継ぎ目加工もかなりの高精度で行う事が出来ます。
それこそ、完全継ぎ目無しという事であれば第二工程で端部まで引っ張っても構いません。
その際には負の塑性域は非常に小さくなりますのでバリはほとんど発生しません。


Bツールパスを変えバリをコントロールする

バリ取り


これはフライス加工でのツールパスになります。
アップカット、ダウンカット、そして製品端部に対する刃の抜け方向によってバリの出方は変わります。
「当たり前じゃないか!」とよく言われますが、現場で製品を見てみると、当たり前の事ではありません。
切削の送り目をよく見て、刃が端部にどんな角度で抜けているのか?
この角度が端部に対して水平に近いほど、バリは小さくなります。
逆に、垂直になればなるほどバリは大きくなります。

そして、図はありませんがアップカットとダウンカットも重要な要素です。
平面フライスのツール直径とツールパスを変え、出来る限りツールの抜け方向を減らします。

当たり前の技能ですが、これだけでもバリが大幅に抑制されることは、意外と知られていません。



今回は、上記3点のバリ抑制方法をご紹介しました。
バリ抑制を適正に行う事で、まずはバリを減らし、バリを小さくし、後にあるバリ工程の負荷を減らします。


次回もバリ抑制の様々な事例を追加記述していきます。

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